“共通善のために”を実現したエンジニアリング・プロジェクト
April 4, 2022
※2022年4月4日時点の内容です
インドネシア大学でコンピューターサイエンスの学位を取得後、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。教育系スタートアップ企業を経て、インドネシアの旅行・ライフスタイル分野のユニコーン企業Travelocaに入社、エンジニアチームのリーダーを務めた。2020年、スマートニュースのエンゲージメント・バックエンドチームに参画。休日には旅行、食べ歩き、遊園地やピアノの演奏を楽しんでいる。
Q: Bobbyさんのチームはどんな仕事をされているんですか?
私は現在エンゲージメント・バックエンドチームに所属しています。チームの主な仕事は、SmartNewsアプリを使用しているユーザーをアプリに惹きつけ、滞在時間や満足度といったエンゲージメント率を上げるための機能を開発し、実装することです。基本的に、SmartNewsアプリを利用する人々のほとんどはアプリを開き、ニュースを読み、その動作をくり返すだけです。しかし私たちのチームは「世界中の良質な情報を人々に送り届ける」という会社のミッションを実現するために、もっとできることがあるはずだと考えています。
Q: これまでにチームが直面した技術的な課題の中で、特に印象深かったものは?
一つは、UGC(ユーザーが生成したコンテンツ)を扱ったプロジェクトです。これは、私たちにとって初めての試みだった思います。ユーザーから提供される、テラバイト級の写真やビデオを扱いながら、アプリのパフォーマンスを維持し、管理し、アプリの速度を落とさず、ユーザーの体験を低下させないようにするにはどうすればいいか、という大きな技術的課題に直面しました。
また、ユーザーからのリアクションやコメント機能の開発も非常に大変でした。対象はニュースチームが提供しているトラフィックですが、そこでも課題となったのは、ユーザーに最高のエクスペリエンスを提供し、パフォーマンスを維持しながらも、膨大なトラフィックを処理できるのか、という点でした。
Q: Bobbyさんはスマートニュースにジョインしてまだあまり経っていないと思いますが、現時点で最もやりがいを感じたプロジェクトは?
アメリカでのワクチン接種に関するプロジェクトです。日本のユーザーもご存じかと思いますが、SmartNewsアプリにはアメリカ版・日本版共にワクチン接種に関するいくつかの機能があります。私はアメリカのプロジェクトに携わりました。
基本的には、ユーザーが住んでいる場所に基づいて最寄りの予防接種センターを検索できるアプリを作ろうとしていました。まず興味深かったのは、このプロジェクトの存在自体が「For The Common Good(公益の利益のために)」という、スマートニュースのコアバリューを実現しているということです。 やりがいを感じた理由の1つは、人々がより簡単にワクチンを接種できる場所を見つけられればそれはCommon Goodにつながるはずと信じられたから。そして2つ目の理由は、このプロジェクトで初めてエンジニアリング部分のプロジェクト・リーダーを務めたからです。もっとも、実際には2人のメンバーとPMだけの小さなチームだったわけですが、それでも私は彼らと、「どうやってこれを納品する?」「スケジュールをどう配分する?」「エンジニア間のタスク配分は?」といったことについて何度も議論を交わしました。その経験が、この半年間でかなり印象に残っています。
Q: スマートニュースに入社される前、インドネシアで成功を納めたテック・ユニコーンで働いていましたよね。前職と今のカルチャーには何か違いがありますか?
意外なことに、カルチャー面では、少なくともテック・カルチャーに関しては、大きな違いはないと思います。スマートニュースは、ほとんどすべてのスタートアップの企業文化と同じように、いわゆる「サンフランシスコ的な志向」を持っていると思います。どんなことにもオープンで、アジャイルで、課題解決型のアプローチです。なので文化そのものは、それほど大きくは変わりません。
Q: スマートニュースからオファーを受けたとき、迷わずサインしようと思いましたか?もしくはためらいがありましたか?
実は、スマートニュースとほぼ同時期にとあるシンガポールの会社からもオファーをいただいていました。シンガポールに行けば母国が近くなるので頻繁に帰れるという利点はありましたが、前にも話したように、日本に行きたいというモチベーションが他のすべての迷いを打ち消しました。 もしオファーがスマートニュースからではなく、別の、いわゆる「ステレオタイプな日本企業」からだったとしたら、カルチャーフィットの面で迷っていたかもしれません。でも、面接のプロセスを通じてスマートニュースの面接官や採用担当者から説明を受け十分に納得していましたので、ここを選んだのは当然の選択だったと思います。
Q: インドネシアで「ステレオタイプな日本企業」はどんなイメージを持たれているんですか?
そうですね、私が日本に就職するかもしれないと言ったときに家族からも心配されましたが、長時間労働、ワークライフバランスが悪い、”NOMIKAI"(同僚や上司との半強制的な時間外飲み会)が多い、などでしょうか。日本企業のそういったイメージは、インドネシア以外の国々でもよく知られていると思います。
実際にスマートニュースで働いてみて、想定とのギャップはありましたか?
まず言えるのは、スマートニュースは「ステレオタイプな日本企業」と真逆だということです。長時間労働はなく、定められた勤務時間内に仕事を終えることが奨励されています。フレックスタイム制があるので、夜遅くまで働いて朝は遅く起きたり、始業と終業の時間を自分で決められます。また、ワークライフバランスもかなり良いと思います。有給休暇もたくさんありますし、オンとオフをしっかり切り分けることができます。これは聞いた話ですが、とあるマネージャーが「家族のこと、例えばお子さんの発表会などがあるのであれば、仕事よりもそちらを優先してください」と言っていたそうです。その短い会話からも、スマートニュースのカルチャーを感じることができ、とてもありがたいことだと思います。