スマートニュースの中心にあるデータ駆動型の意思決定

September 1, 2021

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※2021年9月1日時点の内容です

ショーン・バトラーさんは、Google社に12年間勤務され、Trust and Safety、Google Play、 Youtubeなどの部門でアナリティクス・チームのリードを務めました。出身地のアイルランドのダブリン市を初めとして、サンフランシスコ、シンガポール、ソウル、東京などGoogle社の世界各地のオフィスで働いてきました。スマートニュースには今年の1月に入社し、現在は日米両国のビジネス・アナリティクスのリーダーを務めています。

まず、ショーンさんが所属されているCorporate Planning Divisionがどのようなお仕事をされる部署なのか教えていただけますか?

スマートニュースにはProduct、Engineering、Marketing、BD(ビジネス・デベロップメント)など様々な部門がありますが、その中心に存在するのがCorporate Planningというディビジョンです。社内の各部門で素晴らしい取り組みが進められていますが、それらの足並みを揃えて一つの戦略に統合し、スマートニュースの企業ミッションとして『世界中の人々を必要な情報に繋げる』ために推進していくことがコーポレート・プランニングの役割だと私は考えています。

お仕事されていて、一番やりがいを感じるのはどの点ですか?

スマートニュースは今まさに会社が大きく成長しようとしているところです。これからの2年間が最も興味深く、そしてチャレンジングな時期になると思います。会社をここまで成功させてきたカルチャーを全て維持しながら、新しいアイディアや新しい人材を取り込むことを学んでいかなければなりません。ずっと大企業に勤務してきた私にとっても、これからの数年間でスマートニュースがどのように対応していくのかを見るのが楽しみです。

今後もさらにグローバル進出を進める中で、スマートニュースは世界中の人々にどのような価値を提供していくのでしょうか?

今の世の中は溢れかえる情報が毎日のように押し迫ってきます。どの情報を見ればいいのか、どれが真実なのかを分かる人はほとんどいません。その多くのノイズの中から人々にとって楽しい情報ばかりではなく有益な情報を届けるというスマートニュースのミッションは非常に重要だと思います。

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ショーンさんのこれまでについて伺えますか?

はい、私はダブリン出身で、教育もアイルランドで受けてずっとアイルランドで育ちました。大人になったら外に出て世界を見てみたいとずっと思っていましたので、こうして世界中の様々な国でキャリアを築いてきたのも、その思いがあったからだと思います。

なぜIT系の仕事をやろうと思いましたか?

大学で経済と政治学を専攻していましたが、毎夏には色々な銀行でインターンシップを行いました。2006年から2008年にかけて様々な投資銀行で働く機会があったのですが、2008年に起きたことはもちろん皆さん覚えていますよね。例の金融危機を経て、金融の分野は自分には合わないかも知れない、と思うようになりました。それで2008年にエリクソン社に入社したのですが、これが私にとって初めてのテック企業となりました。

色々な仕事の中でも、3Gネットワークの構築というのがありました。これは自分の仕事の成果を実際に目にする初めての機会となりました。金融の仕事に携わっている時には、自分の仕事のインパクトが分かりづらく、実世界への影響が見えないままにプロセス通りに仕事を進めていました。ですがエリクソンでは、テクノロジーの素晴らしさ、そしてテクノロジーを使って人の役に立てることに気づきました。また、多くのエンジニアと仕事をしたことで、もう一度テクニカルな学問を習得したいと考えて修士課程を履修するきっかけになりました。そこではプログラミングとデータ分析を学びましたが、これが私のキャリアのターニングポイントになりました。

Googleに入社されたのは修士課程を終えた後ですか?

その通りです。修士課程の一環として、EC事業の立ち上げも行いました。学生たちのメンターの一人がGoogleのダブリンオフィスの営業部長で、私たちは彼と毎週ミーティングをしていたのですが、その彼にある時、「実は、ヨーロッパ向けの営業戦略を担当するチームをダブリンで作ることになったんだ」と言われたのです。当時のGoogleはまだ黎明期でしたが、彼は「どう、挑戦してみない?君と一緒に仕事してみて良いと思ったんだ。」と言ってくれて、私も「ぜひ!」と答えました。それが私のGoogleでの12年間のキャリアの始まりでした。

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Googleというテクノロジー大手企業を経験した後に、スマートニュースのような日本の小さなスタートアップに移ることにしたのは何故ですか?

Googleでの12年間で私は様々な国で仕事をし、またYoutubeやGoogle Playなど4〜5つのビジネス・ユニットも経験しました。Googleで学べることは全て、とまで言わなくとも80%は習得できたように感じました。スマートニュースのような日本発のスタートアップに移ることで、数百名規模のビジネスを規模拡大させながら新規市場に参入していくという課程を理解する上で、非常にエキサイティングな機会になると思ったのです。

スマートニュースの採用面接において、入社のきっかけになる出来事は何かありましたか?

ええ、各面接がいわゆる面接というよりもディスカッションのような印象でした。とても興味深い議論に発展することもありました。最終面接の際の面接官はCEOのKenさんでしたが、その面接のかなりの時間を割いて日本のニュースメディアの歴史について話してくれたのを覚えています。面接が終わった時に、ああ、もし例え今回はスマートニュースと縁がなかったとしても、今日の話は本当に興味深かったし学びになった、と感じたのを覚えています。また、スマートニュースの人たちは私の意見にも非常にオープンな姿勢で耳を傾けてくれて、実際に議論になることもありましたが、これがきっとこの会社のカルチャーの表れなのだろうな、と感じていました。このような経験によって入社を決意するに至ったのだと思います。